内側からの美肌によるエイジングケア
◉ 美肌の条件は代謝と水分
これまでの研究から、肌のなめらかさには、皮膚の水分量が大きく関わっていることが分かっています。 健康で正常な状態の肌は十分な水分を保っていますが、加齢や生活習慣により水分が減少していくと、肌の潤いは失われ、カサカサになり柔軟性が失われてしまいます。潤いがあり、みずみずしい肌を保つためには、肌の内側からの水分が保たれていることが大切です。
潤いを保った美肌をつくるためには、活力ある細胞をつくること。肌細胞の代謝が活発に行われることで、ターンオーバー(新陳代謝)が滞りなく行われ、肌の土台となる真皮の組織をボリュームアップすることにもつながります。内側から美肌をキープすることができ、シワ・しみ対策にも効果的です。細胞の代謝を活発にするためには、ミトコンドリアの機能向上がひとつのカギとなります。
◉ ALAが肌の代謝アップのカギ
ヒトの皮膚は外側から、表皮の角層・表皮細胞・基底細胞、そして真皮という構造になっています。
肌に化粧品をつけるなどして、皮膚表面から有効成分を浸透させようとすると、課題になるのが角層のバリア。肌の表面につけた化粧品の有効成分が、表皮細胞を越えて、基底細胞に到達し、さらにその下の真皮にまで到達するためには、成分の分子が角層を通過できる大きさ(分子量)であることが重要です。美容成分として有名なコラーゲンやヒアルロン酸は、分子量が角層を通過できる大きさの約200倍と非常に大きいため、実際には角層の下まで届いていないことがほとんどです。
ミトコンドリアの代謝機能を支える物質・ALA(5-アミノレブリン酸)や、ALAと合わせて代謝に使われる鉄は分子量が小さく、皮膚の奥まで浸透できる大きさです。角層を通過して表皮細胞に到達したALAは、表皮細胞のミトコンドリア内で代謝に利用され、代謝水が作られると同時に、細胞の活動に必要なエネルギー(ATP)が生み出されます。その結果、若々しくみずみずしい細胞、活力のある細胞ができると考えられています。さらにその奥の基底層に到達すれば肌細胞のターンオーバーも促進。そして、最深部の真皮に到達することができれば、細胞が活性化することによって、コラーゲン、ヒアルロン酸など美肌に効果のある成分がより多くなり、結果的にハリや弾力に満ちた、若々しい肌になるのではないかと考えられています。
◉ 「ALA+ミネラル」で肌への効果を検証
実際に、ALAの肌への効果を確かめるために、20代~50代の女性16名を対象に実験を行ないました。ALAと鉄を配合したクリームおよびサプリメント使用群と、使用しない群に分け、それぞれ10日間使用してもらいました。肌の水分と弾力を測定した結果が下のグラフです。ALA+鉄配合クリーム・サプリメントを使用した被験者の試験の前後を比較すると、水分量が120%、弾力量が109%に上昇。ALAによって肌の保湿性、弾力性が大きく改善されたことが分かりました。さらに50代の群では、試験前と比較して水分量は156%、弾力量は120%上昇し、保湿効果、弾力性の向上に、より高い効果がみられました。